エトランジエ

一杯の珈琲と一本の煙草とカナビスと

ルル

ルルが、死にかけている。

 

ルルは我が家のペットで、怒った顔がとてもわかりやすいわがままで横暴な典型的な内弁慶のトイプードルだ。

 

彼は私よりも家族の空気を読むのが上手い。

母親が父親に怒り出しそうになった瞬間に私の部屋まで避難してきたのをよく覚えている。

あと、私がインフルやら何やらで寝込んだときに、毎回同じ布団に入って背中合わせに寝たなぁ。

励まそうとしてくれたのか、ただ熱源に使われたのか、ときかく私が病気の時に限って隣にいた。

 

ルルが、死にかけている。

ついさっき動物病院から電話が来た。

手術が終わったものの状態は良くなく、今は病院の綺麗なケージの中で、看護師さんやお医者さんに経過観察されながらも息を引き取るのを待っている状態だ。

でも、そこに私はいない。

台風で足止めを食らって、気持ちも落ち込みそうなくらいの天気の中、ルルは病院で一人ぼっちだ。

意識も朦朧としているらしいし、一旦どんな気持ちだろうな。

 

家では両親共に現状を受け入れている感じがする。

母は特に頑張って過剰に振る舞っているようだ。

 

 

どうしたものだろう、涙が止まらない。