エトランジエ

一杯の珈琲と一本の煙草とカナビスと

美しい花畑

考え事にズブズブとはまるきっかけというのは常に些細で、そして予期せぬ時に出くわす。

 

蟻地獄のように深く深く沈み、徐々に研ぎ澄まされていく感覚で周りを見渡すと一面の薔薇の花畑だ。

周りの人間はその棘の痛みを感じず歩き続ける。

その先は誰に対しても平等な死が待ち構える。

 

問題は、私も歩きたいのに棘が痛くて痛くて歩けないことだ。

更に言うならば、私は服を着ていない。

服を買う場所を忘れた。

服の着方も忘れた。

棘の痛みに耐えきれず、問題は歩き続けなければならない理由探しに転換していく。

 

仕方なしに、周りの人間に置いて行かれぬよう、毒を探す。

痛点が麻痺すれば、棘や服の問題などたちまちに解決出来てしまうのだから。

 

 

 

こんな一連の思考回路に、どうやら不定期ではまるらしい。

前回はバルセロナの現代美術館に行った時だった。

麻痺して日常生活へ戻る感覚が掴めるようになった。